大学院特別講義六週目

 大学院特別講義六週目(5/25)、今回は外部講師ではなく山崎先生に講義をしていただいた。

 講義の前半では山崎先生のポートフォリオを見ながら、その作品のコンセプトやどんなことを考えながら製作されたかの説明を受けた。IBM時代の作品ではThink padを代表として様々なハードウェアやプロダクト、インタラクション的なウェブサービスなど種類は多岐にわたっていたが、共通していたのはその作品を通してユーザーに対してどんな体験をしてもらうかという芯があったことだ。

 これらの作品の説明が一通り終わった後に、山崎先生がこれからのデザイナーとして生き残るために、未来のデザイナーになるために意識して実践していることに関して実例を交えながら聞いた。この中で印象的だったのが、ブランド体験というキーワードだ。企業などが持つ持ち味、ブランドの良さをいかに人々に体験してもらっていくかが重要なのだなと感じた。デザインは単にカタチを提案するだけの時代は終わり、これからのデザイナーは社会への影響を考え、提案していく仕事になっていくのだという。

 

 自分は学部時代からプロダクトコースだったのでワークショップ設計であったり、サービスデザインの提案はしてこなかった。2年の時くらいまではカタチの提案だけすればいいと考えてきたが、3年の頃からデザインと人、社会の関係性について少しずつ考えるようになった。それはプロダクトデザインであっても例外ではなく、ユーザーのインサイトがどこにあってどういう体験をさせるのかを考えなければと思うようになった。

 また、特別講義の中で何人かの講師の方がおっしゃっている「先見性」がとても重要だと考えている。今面白いデザインと10年後面白いデザインでは、未来を捉える10年後面白いデザインの方がイノベーションを起こせるだろう。そのためにはユーザーのニーズに加えて未来の社会の様子を考えなければならない。そうした苦労を超えてユーザーに驚きや面白い体験をしてもらうことを頭においてデザインしていかなければならないだろう。